This is love 〜*

22


「ん、あっ あん… あ… あっ」


もう何度目だろう…
こんなに長い時間、彼と繋がっていた経験が無い。こんなに何度も繋がった経験がない。
彼が激しく動く度に汗が飛び散って、私の顔や胸に滴る。




* * *


『好きです』と私の言った言葉の後に、きつく抱きしめられてキスされた。
何度も確認するような啄むようなキス。
そして、体中にも… さっきまでの強く乱暴なものじゃなくて、柔らかく優しい、労るような…


「ん… あっ、滉平さん…」


私の体が焦れて疼きはじめるまで、丁寧に舌を這わせられて…
一度絶頂を迎え、収まりかけた熱が体を焦がしていく。


「滉平さん… もう…」

「…ぅん」

私が願うまま、すんなり彼が入って来た。
ゆっくり動く彼に優しさを感じながらも、もどかし気に手や足を絡める。


「志穂?」

「こ、滉平さん… どうして?」


いつもと違う。彼の動きがもどかしい…


「あの… 滉平さんの好きなように…
全部、好き、だから、滉平さんの、思うように…」


もっと、私の全部が彼のものだと思えるようにして欲しいなんて…
我が儘なのかな?


「やってる。志穂をゆっくり味わってるんだ…」

「…ぅあ! あ!」


急に強く突かれて、大きく体が仰け反った。


「ほらな?」

「じ、じらしてるの」

「そういうこと」


チュッと音がして鎖骨の下の辺りにチクンと痛みがはしる。


「滉平さんの、意地悪」

「そういうとこも好きになって…」


好きだよ。全部好き。だから、手を彼の首に廻し直して、ギュッと引き寄せた。


「し…」


軽く重ねるだけのキス。そして、深く舌を絡み合わせて…


「志穂? 俺の事焚き付けてる?」


そう、だって… こんなの滉平さんらしくないから… もっと、滉平さんを感じさせて欲しいから…


「…わかった。そのかわり、最後まで付き合えよな?」




* * *


「優しくするつもりだったんだけどね…」


隣では志穂が背を向けグッタリと力なく横たわっていた。
白い肌が暗い室内でぼんやりと青白く浮かび上がっていた。至る所に付いた痕が情事の激しさを思わせる。
もう何度体を重ねてただろう?
はじめの時から比べれば…


「…ん? 滉平さん… もう、ムリ」

「違う。志穂をギュッとしたいだけだから…」


彼女の髪に顔を埋め、背中から抱きしめていた。
俺だけのものにしたかったのに… この体に刻まれたものが俺だけだったらよかったのに…
はじめから心を通じ合わせていたなら、他の誰かに触れられずにすんだかもしれないのに…
過去に起ったことなら見ずに居られるのに、出会って、一瞬手が離れた時のことはずっと頭をかすめる。
チュッとまた強く吸い上げて目の前の白い肌に痕を残した。


「滉平さん?」

「印、付けてるんだ… 少し休んでから、志穂を送らないと…」


疲れてるのに、眠れない… このまま彼女を抱きしめて眠りたいのに、眠れない。


「…滉平さん、私、滉平さんだけです」


え……?


「気にしてるのかなって… 関係なかったら、ごめんなさい!」


俺の位置からは彼女の耳しか見えない。けどその耳が真っ赤になっていて…


「それって、あいつとはしてないってこと?」

「あ、あの… だって… 佐々木さんとお付き合いしてたのって、2週間程だし…
私、好きな人がいるのに、他の人としたことはありませんから!
佐々木さんとのお付き合いだって、滉平さんの部屋の鍵返してからなんです。
滉平さんに鍵返して、雨の日滉平さんに会うまでの間しか佐々木さんとお付き合いしてないんです。
そんな短い間で、そんなことには…」


自分たちの事を全く無視した彼女の告白、けどその告白が嬉しいなんて…


「ごめん。俺、凄いヤキモチやきみたいだ…
志穂が他の男に触られたのかって思ったら、それだけでも嫌だった」

「それは、私も同じで…
あの人と、ここで何をしてたのかなって思ってました…
私、知ってたからあの人、もうずっと前、滉平さんと歩いてるとこ見かけた事あったから…
滉平さんに酷い事お願いしちゃったって…」

「そんなこと…」

「心がなくてもいいなんて… ただ思い出が欲しいなんて…
私の勝手で凄く酷い事した。一度でいいから、体だけでいいからなんて…
そんなの凄く嫌な事だった」

「そんなことない。俺はあの時、無茶苦茶嬉しかった。俺もずっと志穂の事意識してたし…
まぁ、いろいろ飛ばしてる感はあったけど、今からそれは埋めて行けばいいだろ?
あの時志穂が何も言わなかったら、俺は何も知らないまま、他の男に志穂を奪われて、
大事なもの全部持ってかれて、俺が手に入れるはずだったものを全部持ってかれて…
生きてかなきゃならなかったんだ」


真っ赤なままの彼女の頬に手をあて、正面に向けながら、軽いキスを交わす。


「もう、俺のだから、もう、離さないから… 俺だけのものでいてくれ」


彼女が頷く。
そうだ。もう誰かの手に渡すなんて事はしない。
そのためには…





書き上がってるのに、更新遅くてすみません;
ぼちぼち運転中です。
明日はたぶん、もう一つのお話の更新します!

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