This is love 〜*
15
「げ、もう、7時半… あんまり時間ないな……」
彼女の兄に別れを告げ、帰り着いた部屋の時計は、7時半を過ぎていた。
志穂の門限の時間を考えると… 2時間程しか無い…
会えないよりはいいけど…
「…滉平さん、…あの……」
志穂はリビングの入り口に立ったまま、入ろうとしない?
「どうしたの? そんなところに立って…
そうだ、志穂にいいことを教えてあげる。だいぶ構想も固まってきたしね…
前、言ってただろ? 次回作のこと、今度は…… ッンっ!」
いつも当たり前のように散らかっている資料を片付けながら、志穂の方に視線を向けた。
本当に何も考えずに、いつものように…
「何、どう!!」
ムグッと押し付けられたのは、彼女の唇だった。
両頬には冷たい彼女の手がある。
「ンッ… ン、フッ」
それはただ唇を押し付けるだけの彼女からのはじめてのキス。
なんだかんだ、そういうことはいつも俺の方から彼女に仕向けていたし…
ほんとに、こんな事はじめてで…
俺の中の何かに火がついた。
「ンンッ! ゥン… ハッ…」
これでもかと体を密着させて、片手で彼女の顎を支え上を向かせる。
微かに開いた唇の隙間から舌を入れて…
「ンンンン…ッ! ハッ、こ、滉平、さん… お願い…」
彼女が辛そうに身を捩る。
もう片手で志穂の太腿からお尻の辺りを撫でると、ピクンと反応する。
「こ、滉平さん……」
「うん……」
うん。急かすように彼女が潤んだ目で訴えかける。
けど、もう少し…
「っうん! やっ!」
片足を彼女の足の間に割り込ませて、指を彼女の敏感な場所に宛てがう。
そのまま奥に…
「あ、ダメ……! ン、ゥン、ン」
崩れ落ちかける彼女の腰を支え、十分潤んだ場所の奥まで指を滑り込ませて弄る。
「アッ、あ、んン」
クチャクチャと音をたてると、彼女の体がビクビクと痙攣した。
「こ、滉平さん。あ、んん… イヤ… こ、ここじゃ、ここじゃ… イヤ…」
まだ数える程しか経験の無い彼女にはこの態勢はキツいのか、いつもより体の反応は敏感で…
「滉平さん、あっ、イヤ!」
力の入らなくなった足は、体を支える事が出来ずにブルブルと震えていた。
* * *
「げ、もう、7時半… あんまり時間ないな……」
お兄ちゃんのお店から彼の部屋に帰って来た。
7時半… 後、少ししかない…
「…滉平さん、…あの……」
時間が、ない……
どうしたらいいんだろう… 滉平さんはリビングに入って行く。
私が行きたいのは… チラリと廊下の一番奥の部屋を見た。
そこはこの家にはじめて来たとき、滉平さんに連れて行ってもらった部屋。
滉平さんの寝室。
はじめ、そこいらじゅうにある紙の山を不思議に思ったけど、彼の職業を聞いて納得した。
「どうしたの? そんなところに立って…」
滉平さんの声が聞こえる。リビングに散らかったものを片付けて行くのが見える。
もう、何も聞きたくなくて、彼に飛びついて自分からキスしていた。
* * *
「うっ、あ、あぁぁ、ぁん っあ」
「…っ!」
突き上げると、彼女の体が大きく仰け反った。
「滉平、さん あ、やっ、も、もっと… もっと!」
はじめて見る、彼女の乱れぶりに俺の中の熱は熱さを増す。
「あ、あっ、あっ」
「志穂? 気持ちいい?」
「ぅん、あ… 滉平さん?」
「気持ちいい?」
「ぅん。……いい… 気持ち、いい…」
荒い息づかい、艶っぽい表情。突き上げる度に聞こえる声が理性を吹っ飛ばしていった。
繋がったまま彼女の片足を持ち上げ肩に担ぐ。ぎゅっと締まる志穂の体の最奥に自分のモノを突き立て貫く。
「うっ、…あっ、あん、あ!! 滉平、さん… 滉平さん」
志穂の手が空を彷徨い、俺の首に絡まった。
「…滉平さん……」
「志穂… っんっ!」
彼女の足を投げ出し、俺たちは抱き合い、深く繋がったまま果てた。
* * *
「志穂、帰らないと…」
背を向けて横になる彼女の髪を撫で、頭にキスをした。
今日は変な日だった。何か居ても立ってもいられない程不安で、とにかく彼女に会いたかった。
会えば会ったで不安はより一層増して、でも今はこれまでに無い程の満足感。
はじめて彼女からキスされて、『お願い』までされて… それにあの乱れぶり。
甘い掠れた声がまだ耳に残っていた。
愛しくて、愛しくて、その想いだけで、彼女に触れる指先が熱を帯びる。
「帰りたくない…」
「うーーん。今日は… ダメ。
志穂の兄さんに『頼むよ』って言われた。今日だけは、志穂を門限までに送り届けないと…
男として、失格になる」
「…わかった。用意するから… 先に行ってて、下さい…」
「うん。志穂、また明日…」
ここはしっとり終わりたいけど、力不足で…
次回は暗いです!
*気が向けば押して下さい。お返事はBLOGにて*