This is love 〜*

7


「あ、あの… 滉平さん…」


汗ばんだ彼女の肌にコレでもかと印をつける。
やわやわと揉み上げ、舌を這わせ硬くなった先端を吸い上げて、絡めて…
薄暗い部屋に白く浮かび上がった肌が眩しい。まだ慣れない軽い刺激にもビクンと反応する。


「あ、あっ… もう…」


彼女はその度に逃れるように身を捩る。


「あっ、滉平さん。ヤダ、ダメ…」


彼女の足の間に割り込み太腿に腕を廻し、昨日よりも大きく大胆に開いた。


「ヤダ。ダメ… 見ないで!」


そんな言葉聞けない。
潤った中心はトップリと俺の指を飲み込む。
指を動かすだけで「んぅん、ぅあ」と切ない声が漏れる。


「ん、ふぅ… は、恥ずかしいから、凄く… お願い見ないで…」


手の甲で口元を押さえながら、でも彼女はもう足を閉じ隠そうとする気配はない。
調子に乗ったと言えばそうだ。
指で彼女の中を攻めながら、もう片手で彼女の腿の内側を撫でる。それじゃ足りない。
もっと欲しい。もっと、この人の全てが、欲しい。


「はっ、あ、や! ヤダ」


ビクンと大きく彼女が仰け反った。
逃れようとするのを彼女の腰を押さえ、ピチャピチャとわざと音をさせ、彼女にもわかるように吸い上げた。


「や、ダメ … やだ、恥ずかしいよ…」


彼女の手が俺の頭に伸び、指が髪の中に埋もれる。
クシャッと握りしめる。その震える指の感触が堪らなくて、また強く吸い上げていた。




* * *


「そんなに恥ずかしかった?」


こんなことで恥ずかしがるなんて、変かもしれないけれど、どうしても顔を上げる事が出来ない。
滉平さんに背中を向けて、顔を枕に突っ伏して、どうしても滉平さんの方を向く事が出来なかった。
あの後すぐに滉平さんが私の中に入ってきて、昨日のような痛みはなかったけど、凄い圧迫感があって…
息が詰まるかと思った。
昨日よりも全て見られてしまった。
はじめての時、ずっと手を伸ばせばすぐのところに彼の体はあった。けど今日は遠くて…
自分でも見た事のないところまで全部滉平さんの前に曝して、泣けて来る程恥ずかしいのに、胸はいっぱいに満たされていた。


「志穂は、すごく綺麗だった」


クシャッと髪に滉平さんの指が埋まる感覚…
今、『志穂』って呼んだ? 呼ばれた途端に心臓がドキンと鳴って、胸の奥が熱くなる。
昨日は確か『志穂ちゃん』だったはず…
それに『綺麗』って… 何が?


「志穂?」


どんなによく見たって私なんて中の下ぐらいで…
お兄ちゃん以外の人に可愛いとか綺麗とか… 褒めるような言葉を言われた経験はない。
滉平さんは優しいな… こんな私にまで気を遣ってくれて、ずっと優しく扱ってくれて…
滉平さんがはじめてで良かった。2回目があって良かった。
けれど全てが虚しくなった。
だからね。やっぱりお見合いして結婚になるんだろうな…
会社の跡取りになる人に、会社のおまけでもらってもらうしかないのよね?


「志穂? こっち向いて!」


気が付いた時にはぐちゃぐちゃな顔で泣いていた。


「ごめん! 俺、夢中になってた。そんな嫌だなんて思わなくて…」

「違うの、コレは… 滉平さんが悪いんじゃなくて…」


なんだって言うんだろう?
滉平さんの所為じゃないけど、それを上手く説明出来ない。


「志穂…
あの、もし良かったら、明日… どこか遊びに行かないか?」

「…明日は、前から予定あって…」


手の甲で涙を拭いながら、小さく首を振った。
うっ、やっぱり優し過ぎる。


「…じゃ、明後日の日曜は?」


『土日は開けておけ』そう父親に言われていた。だから…


「日曜も、父さんとの約束あるから…」


滉平さんは小さく「そうか…」と呟き、「じゃ、仕方ないね…」と付け足すように言った。
それから滉平さんは何も言わなくなって、気まずくなってしまった私は、どうすればいいのかわからなくて…


「あの、私、今日は帰ります」

「泊まっていけば…」

「門限あるし、早く帰って来るように言われていたので…」


全部本当の事だから… おかしくないよね? 普通に言えたよね?


「門限って… 何時?」

「一応、10時…」

「あ、なんだ、まだ少し時間ある。ご飯、食べるぐらいの時間… いいだろ?」


時計を見れば8時を少し過ぎていた。
食事して帰るならちょうどいい時間になるのは確かだ。
でもまた気まずくなるかも… そんな心配があって、返事出来ないでいると、


「ご飯行こ。な?」


そう優しく笑ってくれた。
優しくされると嬉しくてキュンとなる。
ずっと傍にいたいって思っている自分がいる。
やっぱり好きなのかな?
昨日から何度も繰り返した疑問の答えは疾っくに出ているのにそれを認めることは出来ない。


「あの、何かあれば、私、作ります」


それは近くにいるけど、くっついているわけじゃなくて、
たぶん、出来た頃には帰らないといけなくなるかもしれないけど、時間いっぱいまで同じ場所に居れる方法だった。


「家、お母さんいないので…
わりと料理とか得意な方なんです… 人並み程度ですけど…」

「えっ、ホントに? イヤ、けど疲れてるだろうし…
……それに正直食べれる物がないから… 今日はいいよ。外に食べに行こう…
えっと、今度作ってよ。一緒に買い物とか行って… 週末ダメなら、月曜でも火曜でもいい…」


そこまで言われると流石に何も言えない。
大人しく頷く事しか出来なかった。





サクサク進みます。
滉平さんふられてしまいました。
週末の志穂の予定は……

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